Therapy

治療について

Therapy

治療って
どんなもの?

こころの症状のページでは、「心の不調」は「脳の不調」でもあるというお話をしました。
脳の不調とは、脳をつくる神経の中にある情報伝達物質の異常ですから、
「心の病気」の治療の基本は、神経伝達物質を調整する薬物療法になります。
とはいっても必要以上のお薬は使用しません。でも物理的な異常を薬で治療しただけでは、
十分に問題が解決しない場合も少なくありません。

なぜなら、脳の神経伝達物質のバランスを崩しているのは、過大なストレスの場合が多いからです。
ストレスが大きな原因となっている場合(これをストレス因と言います)には、
このストレス因をそのままにしておいては、症状が思うように改善しない場合もあります。
ある人にとっては病気を起こす程のストレス因でも、
他の人にとっては全くストレス因にならないという場合もあります。
ストレスを受ける側・・つまりストレスに対する脳の感受性が高いか低いかということも重要なのです。
幸いにも「ストレスに強い脳」をお持ちの方は「ストレスにさほど強くない脳」をお持ちの方よりも、
同じストレスを受けても脳の不調(心の不調)は起こしにくいということになります。
そもそも小さいストレスならば、どちらの方でも心の不調は起こりません。

つまり、「ストレスは心の不調の原因」ではなくて、
「ストレスは心の不調の一つのきっかけ」にすぎないと言った方がよいでしょう。
「原因は多くの場合複雑に絡み合っていて、一つではない」のです。
ですから病気になった時、病気の原因をとことん追及してもあまり意味はありません。
それよりも、ストレスに対する抵抗力を高めながら、きっかけとなるストレス因をうまくコントロールする、
という未来志向の方が有効なことが多いのです。ストレスに対する抵抗力を高めるためにも、
薬物治療は部分的に有効です。同時に、自分の弱点を知り、それを補いながら、
自分の健康な部分をより強化することをしながらストレスをコントロールする、
それが心の健康管理(メンタルヘルス)につながります。

FAQ

よくあるご質問

薬物療法以外の治療はありますか?
人間は単に生物であるだけでなく、社会的な影響や心理的な影響も受けながら生きています。
ですから、悩みや心の病気を解決する時には、ご本人のおかれた環境や価値観などを多角的に考えて、心の中を整理する必要もあります。人間は動物と違って、ことばを使って気持ちや考えていることを表現できます。自分の思いを言葉にしたり、言葉のやり取りによって心の中の整理をし、新たなことに気づき、今後同じ不調を起こさないためにはどうするかを考えるお手伝いが「精神療法」と呼ばれるものです。一般に精神療法は薬物療法と並行して治療の中で行われます。
カウンセリングとはどういうものですか?
精神療法と似た言葉にカウンセリングというものがあります。
カウンセリングとは、一般に臨床心理士が心の問題の解決をお手伝いすることを言います。
症状が似ていても、10人いれば10とおりの異なった解決があるでしょう。ご本人が解決の糸口をご自分で見つけ出すことができるように、ご本人に合った適切な方法で援助(サポート)することが臨床心理士の仕事になります。長くお話をすればカウンセリングになるというものではありません。カウンセリングには、それをすることがふさわしい状態や望ましい時期というものがあります。
カウンセリングを希望したいときは、どうすればいいですか?
まず誤解していただきたくないのは、精神療法もカウンセリングも、医師や臨床心理士が魔法のように解決方法を教えてくれるわけではないということです。当院には臨床心理士はおりませんが、カウンセリングをご希望の方やカウンセリングが必要と考えられる方の場合には、適切なカウンセリング機関をご紹介させていただきますので、診察時にご相談ください。当院でご紹介しているカウンセリング機関の一部は、以下のとおりです。
【ご紹介機関例】
・一般財団法人 北陸予防医学協会 メンタルサポートセンター(http://www.hokurikuyobou.or.jp/counceling/
・santosa.toya(https://coubic.com/santosa
検査や入院が必要な場合もあるのでしょうか?
当クリニックは、ハートケアを専門としたクリニックですが、最新医療形態の主流である診-診連携(クリニック同志の連携)や病-診連携(病院とクリニックとの連携)を推進しています。そのため、スタッフは最小限で運営することができ、検査の重複等、不必要な医療をおこないません。血液検査の一部等は当院でも行うことができますが、もし必要な検査を当クリニックで実施できない場合は、連携のクリニックや病院をご紹介させていただいています。
かかりつけのクリニックやご希望の医療機関などがございましたらお知らせください。
また、症状によっては、さまざまな刺激から離れて休養するために入院治療が望ましい場合があります。当クリニックには入院設備はありませんので、入院治療が必要な方の場合には、ご相談のうえ適切な病院をご紹介させていただきます。